紫苑さんより、2012年11月に頂きました。


椎名のお誕生日プレゼントとして、オリジナルの物語をプレゼントして頂きました!
うちの子のサイドストーリーなんて初めてで、すっごく楽しませてもらいましたよ〜。
しーちゃんに片恋する、青波高校の女の子が主人公のお話です。後輩ちゃん、って設定かな。
告白するぞっ! っていう、ドキドキシチュから始まります(*´ω`*)





【by 紫苑さん】


綺麗な染めた髪、ルックス、甘い声、

彼、天海紫己を呼び出しました。

青波学園、1年、名前は言わないけど、裏庭で柄にもなく、友人伝いにメルアド聞いて、
来る日も来る日も学校で会う度に、フリルのお洋服に、OL系のセクシー系着て見たりして、
彼の反応を待ってた。

「可愛いね」「綺麗だね」って言ってくれるけど、

それは社交辞令止まりだって事も知ってる。

彼は甘いマスクでもてるし、彼には…


「お待たせ。」

心でドキッとするタイミングで現れるものだから、心臓に悪い。

私は本題を持ち出そうとするも、何もこれも、私が告白するのは初めて。


「ぁ、あのね、その…」
「ああ、君と会ったのもこの紅葉綺麗な所だったね」

そう言うと、紅葉を指さして、いたずらっ子みたいに微笑む。
勿論、それが様になってて、数々の女をどれだけ泣かしたんだ…と心に重みを感じ始めたとき、

私が彼に一目惚れした瞬間を思い出す。

校門で、友人が「REAL」の大ファンで、どうしてもそのモデルに会いたいと駄々をこねたので、
仕方なく、私もそのモデルさんには会ったことがなかったけど、一目イケメンが見られれば、
高校生の身で、県外のこの学校見学にも赴いた意味もあるだろう。

そう思い、

「あ、来たよ!!」と女の子は雌豹モード。狩る気バリバリってのが見えて、ちょっと呆れた。

その瞬間、私は思わず目を奪われた。

「ありがとう」そう言って、同じファン目当ての女の子達に手作りのお菓子やら、手紙やら、名刺やらを貰いきゃあきゃあ。

うわぁ…


これはレベルが高すぎるよ…。

綺麗で女の子の髪よりサラサラで…

紅葉が綺麗な季節に一大決心!当時偏差値30だった私は、母を必死に説得して、父が不甲斐ない人だったけど、
学費と生活費を出して貰って自分自身も塾で勉強しながら、アルバイトを始めた。

だって、あの綺麗な顔にお近づきになりたいからっ!!

スタイルも良くて、まさに王子様。


友達には、「裏切り者っ!!興味ないって言うから連れて着たのに!!」って学校でシカト。
女の子にはよくあることだけどね。気にしてない、私が好きになったのは事実だし!!

そんなので、今に至る。

私は全身硬直して、心臓がバクバク。憧れの先輩に告白なんて少女漫画みたい。

「―ちゃん?大丈夫?」

くすっと微笑むその瞳に少しでも映りたい。


「す…」と言いかけた瞬間、タイミング悪く紫己先輩の携帯が鳴り始めた。

「ごめん…出ても良いかな?」
「ぇっ、いやそのはい!」

何でこんな時に着信がなるのぉ〜??

「ああ、セリ?」

誰それ。ああ、幼馴染みの…


「うん、モンブランは絶対買ったから」


そう言われて気付いてみたら、白い化粧箱を片手に持ってるのが分かった。

電話してて、この2年間、ずっと見てきた先輩の「噂の本命」を思い出す。


笑顔で話す先輩に、初めて今更ながら、あの噂が本当だって思い知らされた。

「先輩…好きでした。」
「ありがとう」

ニコッと笑ってくれた。

振られるのは分かってるけど、

「先輩も大事な相手はきちんと掴まえなきゃ駄目ですよ」そう言い、去ろうとした瞬間、

「本当にありがとう。」

と少しだけ優しい顔で囁いた。


サヨナラ、初恋。

化粧箱を貰う彼女さんはとっても幸せ者だね。

まぁ、ぶっちゃけその友人も振られたんだけど。

お揃いだねって笑って泣いちゃった。

だって、セリさんにしか怒らないんだもん。
それだけ特別な人に叶わない。


私たちはこっそり今も紫己先輩を応援してる同士になったのであった。

セリ先輩は、あの化粧箱の中のモンブラン食べたのかな?


いいなぁ。


本人はその頃、くしゃみをしていた。…のかもしれない。
<END>




紫苑さん、素敵なお話をどうもありがとうございましたっ(≧∇≦*)
いつかあたしも、しーちゃんに恋する女の子の物語を書いてみたいなぁ。

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